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シャトーブリアンとサーロイン。どっちを選ぶ? 比較します

特別な日のステーキ選び、王道のサーロインか希少なシャトーブリアンか、失敗したくないからこそ迷ってしまいますよね。

結論から言うと、とろける脂の甘みとジューシーな「肉のパンチ」を存分に味わいたいなら、迷わずサーロインがおすすめです。

一方で、脂肪を気にせず「驚くほどの柔らかさ」と上品な赤身の旨味を楽しみたいなら、シャトーブリアンを選ぶのが正解です。

どちらが優れているかではなく、こってり派かさっぱり派か、その日の気分や食べる方の好みに合わせて選べば間違いありません。

本記事では、価格相場やランクの違い、自宅での失敗しない焼き方まで徹底比較しましたので、ぜひ最後までご覧ください。

記事のポイント
  • サーロインとシャトーブリアンの決定的な味と食感の違い
  • 脂が苦手な人が選ぶべき部位と気持ち悪くならない対処法
  • 地域によって異なるお肉の呼び方の由来と豆知識
  • 自宅で高級ステーキを失敗せずに美味しく焼くプロのコツ

シャトーブリアンとサーロインはどっちがおすすめ?部位や味の違いを比較

シャトーブリアンとサーロインの特徴を徹底比較

特別な日のお祝いや、日頃頑張っている自分へのご褒美として、とびきり美味しいステーキを食べたいと考えたとき、レストランのメニューや精肉店のショーケースの前で「シャトーブリアン」にするか、それとも「サーロイン」にするか、どちらを選ぶべきか迷ってしまうことはありませんか。どちらも牛肉の最高級部位として広く知られていますが、実際に食べてみるとその特徴や味わい、そして食感は驚くほど異なります。ご自身の好みやその日の体調、そして食事のシチュエーションに合わせてベストな選択ができるよう、まずはそれぞれの基本的な特徴について、優しく紐解いていきましょう。

まず、ステーキの王様とも称される「サーロイン」ですが、こちらは牛の背中から腰にかけての部位にあるお肉のことを指します。牛の体の中でもこの部分は運動量が比較的少ない場所にある筋肉なので、筋肉が張らずに非常に柔らかいのが大きな特徴です。サーロインの最大の魅力といえば、なんといってもあの見た目にも美しい「霜降り」ではないでしょうか。赤身のお肉の間に真っ白な脂肪(サシ)が網目状に入り込んでおり、まるで芸術品のような美しさを誇ります。この脂肪は加熱することで溶け出し、口の中にじゅわっと広がるジューシーな甘みとコクを生み出します。一口食べた瞬間に「お肉を食べている!」という強烈な満足感と、脂の濃厚な旨味を感じられるのがサーロインの持ち味です。

一方で、ステーキの女王とも呼ばれる「シャトーブリアン」は、サーロインよりもさらに体の内側にある「ヒレ(フィレ)」という部位の、そのまた中心部分のみを指す非常に贅沢な名称です。ヒレ肉自体が、牛の体の中で最も運動しない筋肉であるため、信じられないほど柔らかいのですが、その中でも特に太くて肉質の良い中心部分だけがシャトーブリアンと呼ばれます。サーロインとの決定的な違いは、「脂肪が少ないのに柔らかい」という点に尽きます。通常、お肉の柔らかさは脂肪の多さに比例することが多いのですが、シャトーブリアンは完全な赤身肉でありながら、お箸でスッと切れるほどの繊細な柔らかさを持っています。脂っこさが一切なく、非常にあっさりとした上品な味わいなので、脂の重たさが苦手な方や、ご年配の方でも最後まで胃もたれすることなく美味しく召し上がれるのが大きな魅力ですね。

また、食感の違いにも注目してみましょう。サーロインは、噛むと脂が溶け出し、赤身と脂が混ざり合ってとろけるような食感を楽しめます。対してシャトーブリアンは、きめ細やかな繊維が舌の上でほどけていくような、シルキーで滑らかな食感が特徴です。サーロインが「脂の爆発力」を楽しむものだとすれば、シャトーブリアンは「肉質の繊細さ」を楽しむものだと言えるでしょう。

結論として、こってりとした脂の甘みとジューシーな食べ応え、そして分かりやすい豪華さを求めるなら「サーロイン」を選ぶのが良いでしょう。一方で、脂肪を気にせず純粋にお肉の柔らかさと繊細な旨味を楽しみたい、あるいはさっぱりとした食事を好むなら「シャトーブリアン」を選ぶのがおすすめです。どちらが優れているということではなく、その日の気分で「濃厚なパンチ」か「上品な優しさ」かを選ぶ、そんな贅沢な悩みをぜひ楽しんでください。

一般的な赤身肉とサーロインの決定的な違い

「サーロインは脂が多い霜降りのお肉」「赤身肉は脂が少なくて硬めのお肉」という漠然としたイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、実はもう少し深い違いがあるのをご存じでしょうか。ここでは、一般的な赤身肉とサーロインがどのように違うのか、少し専門的な視点も交えながら分かりやすく解説します。

まず、本来「赤身肉」とは何を指すのでしょうか。生物学的な観点から見ると、筋肉細胞の中に酸素を運ぶための「ヘモグロビン」や「ミオグロビン」という赤い色素タンパク質が多く含まれているお肉のことを指します。これらは鉄分やビタミンB群を豊富に含んでおり、私たちのエネルギー源として非常に優秀な栄養素の宝庫です。ヒレ肉やモモ肉などは、見た目も真っ赤で脂肪が少ないため、誰が見ても典型的な赤身肉と言えますね。

では、サーロインはどうでしょうか。実はサーロインも、お肉の分類上は赤身肉の性質を持っています。しかし、一般的な赤身肉(モモやランプなど)との決定的な違いは「脂肪の入り方」にあります。サーロインは、背骨に乗っているだけの筋肉で運動量が極めて少ないため、筋肉の繊維の間に脂肪が入り込みやすいという特殊な性質を持っています。特に和牛のサーロインは、長年の品種改良やこだわりの飼育方法によって、この赤身の中にきめ細かく脂肪が交雑(サシが入る)するように育てられています。この状態が、いわゆる「霜降り」と呼ばれるものです。

一般的な赤身肉は、噛みしめるごとに筋肉そのもののしっかりとした旨味や、鉄分由来の野性味を感じる「肉本来の味」が強いのが特徴です。繊維もしっかりしており、噛み応えを楽しむ部位とも言えます。対してサーロインは、赤身の濃厚な旨味と、網目状に入り込んだ脂肪の甘みが口の中で融合する「複合的な味わい」が特徴です。加熱すると、筋肉繊維の間にある脂肪が溶け出し、赤身部分をコーティングするように包み込むため、食感が非常に滑らかで、とろけるような感覚になります。これが、繊維質で歯ごたえを感じやすい一般的な赤身肉との大きな食感の違いにもなっています。

栄養面での違いも知っておくと選びやすくなります。純粋な赤身肉は低カロリーで高タンパク、脂質が少ないためダイエット中の方にも人気ですが、サーロインは脂質が含まれる分、どうしてもカロリーは高めになります。しかし、サーロインの脂にはただカロリーが高いだけでなく、オメガ3脂肪酸などの良質な不飽和脂肪酸が含まれていることも分かっています。これらは心臓疾患の予防などに良いとされる脂ですので、適量を美味しくいただく分には、健康的な食材と言えるでしょう。赤身の「ヘルシーさと噛み応え」を取るか、サーロインの「満足感ととろける食感」を取るか、ご自身の健康状態や好みに合わせて選び分けると良いでしょう。

ステーキにするなら肩ロースとサーロインの違いを知ろう

スーパーやお肉屋さんでステーキ用の肉を選ぶ際、サーロインのすぐ隣に「肩ロース」が並んでいるのをよく見かけませんか?どちらも「ロース」という名前がついているから、似たような味なのかな、と思われがちですが、実際に食べてみるとその味わいや食感にははっきりとした個性の違いがあります。ここでは、ステーキにする際のそれぞれの特徴を比較してみましょう。

まず「サーロイン」は、先ほどもお話しした通り、腰の上部にあるお肉で、きめ細かいサシが入った「とろけるような柔らかさ」が最大の武器です。筋が少なく、ナイフを入れたときの抵抗感もほとんどありません。口の中に入れた瞬間に脂が溶け出し、芳醇な香りが鼻に抜けるので、まさに「ステーキの王様」といった風格があります。特別な日のお祝いや、来客へのおもてなしなど、誰にでも分かりやすい豪華さを演出したいときにはサーロインがうってつけです。脂の甘みを存分に楽しむための部位と言えるでしょう。

一方、「肩ロース」は、その名の通り背中の筋肉の中でも首に近い「肩」の部分にあるお肉です。ここはサーロインに比べると、首を動かしたり体を支えたりするためによく動かす部位であるため、筋肉の繊維がやや太く、しっかりとした肉質になります。そのため、食感は「柔らかくて溶ける」というよりは「ほどよい弾力と噛み応えがある」と表現するのが適切でしょう。しかし、決して硬くて噛み切れないわけではありません。適度な脂身を含みつつも、赤身の味が非常に濃厚で、「お肉を食べている!」という実感を強く感じられるのが肩ロースの魅力です。噛めば噛むほどに肉本来の濃い旨味が溢れ出してくるため、脂の甘さよりも肉そのものの濃い味を楽しみたいという通な方には、実はサーロインよりも肩ロースの方が好まれることも多いのです。

また、料理への適性やコストパフォーマンスの面でも違いがあります。サーロインはステーキとして焼くのが最高ですが、肩ロースはその濃厚な風味を生かして、すき焼きやしゃぶしゃぶ、ローストビーフなどにも非常によく合います。価格面では、サーロインは希少価値が高く価格も張りますが、肩ロースは比較的リーズナブルに手に入ることが多く、ご家庭でのちょっとした贅沢ディナーや、育ち盛りのお子様がいる食卓でも大活躍します。厚切りにしてステーキにすることで、その力強い風味を存分に味わうことができます。

まとめると、口の中でとろける脂の甘みと極上の柔らかさを最優先するなら「サーロイン」、お肉らしいしっかりとした噛み応えと濃厚な赤身の旨味をリーズナブルに楽しみたいなら「肩ロース」がおすすめです。

フィレやヒレ、ヘレにおける呼称の違いとは

レストランでメニューを見ていると、「フィレステーキ」と書いてあるお店もあれば、「ヒレカツ」「ヘレ肉」と表記されていることもあり、「これって違うお肉なの?」「部位が違うのかな?」と疑問に思ったことはありませんか。実はこれら「フィレ」「ヒレ」「ヘレ」は、すべて同じ部位を指す言葉なのです。では、なぜこのように呼び方が分かれているのでしょうか。それは、言葉の由来と日本国内での地域性が深く関係しています。

もともとの語源は、フランス語の「Filet(フィレ)」だと言われています。明治時代以降、西洋の食文化が日本に伝わった際、このフランス語の呼び名が基本となりました。しかし、言葉が広まる過程で地域や時代によって発音が変化し、それぞれの土地で定着していきました。関東地方を中心とした東日本では、「フィレ」が少し訛って変化した「ヒレ」と呼ばれるのが一般的です。皆さんも「豚ヒレカツ」などは馴染み深いのではないでしょうか。関東の精肉店やスーパーでは「ヒレ」という表記をよく見かけます。

一方、関西地方、特に大阪周辺では「ヘレ」と呼ばれることが多いのが大きな特徴です。老舗の洋食店やお肉屋さんでは、当たり前のように「ヘレステーキ」「ヘレカツ」といった文字が並びます。

なぜ関西では「ヘレ」になったのかについては諸説ありますが、興味深い説の一つに「関西弁の特性」があります。例えば、関西(特に京都や大阪)では、「しひん(しない)」「できひん(できない)」といった言葉が使われますが、これが大阪弁では「せえへん」「でけへん」と変化するように、発音の響きが変化しやすい土壌があったのではないかと言われています。フランス語の「フィレ」を発音しやすくする過程で、大阪独自の訛りや「エ」の音を好む傾向が加わり、「ヘレ」になったという説は、言葉の面白さを感じさせますね。また、京都では「ヒレ」と呼ばれることも多いそうで、関西一円で統一されているわけではないのも面白い点です。

さらに、海外に目を向けると、アメリカなどでは同じ部位を「テンダーロイン(Tenderloin)」と呼びます。「Tender(柔らかい)」+「Loin(腰肉)」という意味で、その名の通り柔らかさを強調した呼び名となっています。日本のレストランでも、アメリカンスタイルのステーキハウスなどではこの名称が使われていますし、海外旅行の際にはこの名前でオーダーすることになります。

つまり、お店で「ヘレ」と書いてあっても「ヒレ」と書いてあっても、出てくるのは同じ、あの柔らかくて脂肪の少ない赤身のお肉です。旅行先でメニューを見たときに「おっ、ここは関西だからヘレなんだな」「ここはヒレ呼びなんだな」と気づくことができれば、食事の会話も少し弾むかもしれませんね。

高級なシャトーブリアンでもまずいと感じることはある?

「一生に一度は食べてみたい」と憧れる高級肉シャトーブリアン。清水の舞台から飛び降りる気持ちで注文したのに、一口食べて「あれ? 思っていたほど美味しくない…」「なんだか物足りない」と感じてしまうケースが稀にあるようです。「高いお金を払ったのにまずいなんてこと、あるの?」と不安になってしまいますよね。実は、これにはいくつかの理由があり、決して肉の品質そのものが悪いわけではないことがほとんどなのです。

まず最大の理由は、「期待していた味とのギャップ」です。多くの人が高級肉に対して「口の中でとろけるような濃厚な脂の甘み」や「ジューシーな脂の爆発」をイメージしがちです。特に普段サーロインやカルビなどのサシが入った霜降り肉を好んで食べている方は、「柔らかい=脂が乗っている」という脳内図式が出来上がっていることがあります。しかし、シャトーブリアンは究極の「赤身肉」です。脂肪が極端に少ないため、味は非常にあっさりとしており、脂のパンチやこってり感はありません。そのため、濃厚な脂の旨味を期待して口にすると、「味が薄い」「なんだか拍子抜けした」と感じてしまうことがあるのです。上品な淡白さを「味がない」と捉えてしまうケースです。

次に、「焼き加減の失敗」も大きな理由の一つです。シャトーブリアンは脂肪が少ない分、火を通しすぎると水分が抜けてしまい、急激にパサパサとした食感になってしまいます。せっかくの極上の柔らかさも、焼きすぎてしまえば台無しです。本来の美味しさを味わうには、レアからミディアムレア程度の絶妙な焼き加減が必要不可欠ですが、ご家庭で焼く際に加熱しすぎたり、ウェルダン(よく焼き)を好む方が注文した場合には、そのポテンシャルを発揮できずに「硬くてパサパサで美味しくない」という評価になってしまうことがあります。

また、高価格であることが逆にハードルを上げている側面もあります。「これだけ高いのだから、今までにない衝撃的な味がするはずだ」という過度な期待を持ってしまうと、実際の繊細で優しい味わいに対して「期待外れ」という感想を抱きやすくなります。

さらに、体調や味覚のコンディションも影響します。風邪気味で鼻が詰まっていると香りが分からず、繊細な赤身の旨味を感じ取れないことがあります。シャトーブリアンの美味しさは、脂の甘みではなく、きめ細やかな繊維の舌触りと、噛むほどに広がる上品な肉汁の香りにあります。この繊細さを楽しむ心構えがないと、「ただの味の薄い肉」と感じてしまうかもしれません。

シャトーブリアンを美味しく楽しむためには、「脂の甘みではなく、肉質の柔らかさと上品さを楽しむお肉である」と理解しておくことが大切です。もし、ガツンとした食べ応えや脂の旨味を求めているのであれば、迷わずサーロインを選ぶのが正解と言えるでしょう。

脂で気持ち悪くなる?シャトーブリアンの意外な落とし穴

「霜降りのステーキを張り切って食べたら、あとで胃がもたれて気持ち悪くなってしまった…」という経験はありませんか?若い頃はいくらでも食べられたのに、年齢を重ねると脂の多いお肉を受け付けにくくなることがあります。せっかくの美味しいお肉も、体調を崩してしまっては元も子もありませんよね。ここでは、脂で気持ち悪くなる原因と、それを踏まえたシャトーブリアンとサーロインの選び方について考えてみましょう。

ステーキを食べて気持ち悪くなる主な原因は、やはり「脂(脂肪分)」にあります。サーロインのような霜降り肉には多くの脂肪が含まれており、消化に時間がかかります。胃腸の働きが弱っている時や、一度に大量の脂を摂取すると、胃酸が過剰に分泌されたり、消化が追いつかずに胃もたれや吐き気を感じることがあります。

その点、シャトーブリアンは非常に優秀です。先述の通り、シャトーブリアンはヒレ肉の中心部であり、脂肪がほとんどありません。そのため、サーロインに比べて圧倒的に胃への負担が軽く、食べた後の胃もたれや気持ち悪さを感じるリスクが極めて低いのです。「柔らかいお肉は食べたいけれど、もう脂っこいのは体が受け付けない」「翌日に胃もたれするのは避けたい」という方にとって、シャトーブリアンはまさに救世主のような存在と言えるでしょう。脂質を気にせずにお肉の旨味だけを純粋に楽しめるので、ご年配の方への贈り物としても最適です。

もし、サーロインなどの霜降り肉を食べて気分が悪くなってしまった場合は、無理をしないことが大切です。吐き気を感じた時、すぐに横になると胃酸が逆流しやすくなり、かえって気分が悪くなることがあります。椅子に座るなどして、上体を起こした状態で安静にし、ベルトや衣服を緩めてリラックスしてください。水分補給には、冷たい水ではなく常温の水や白湯を少しずつ飲むのがおすすめです。温かい飲み物は胃の血流を良くし、不快感を和らげる助けになります。また、症状が落ち着いてきたら、おかゆやうどん、バナナなど消化の良いものを摂るようにしましょう。

結論として、ご自身や一緒にお食事をする方が「脂に弱い」「胃もたれしやすい」という場合は、無理に霜降りのサーロインを選ばず、シャトーブリアンやヒレ肉を選ぶのが安心です。逆に、若くてエネルギーに満ち溢れており、脂の旨味を存分に堪能したいという場合はサーロインを楽しむ、といったように、自分自身の体と相談しながら部位を選ぶことが、最後まで美味しく食事を楽しむ秘訣です。

記念日にはシャトーブリアンとサーロインのどっちを選ぶ?価格や焼き方も

希少部位シャトーブリアンが高価格になる理由

記念日のディナーでメニューを開いたとき、シャトーブリアンの価格を見て驚いたことはありませんか。「ステーキの中でもどうしてこんなに高いの?」と疑問に思うのも無理はありません。しかし、その価格には、単なる「美味しさ」だけではない、明確な理由が存在します。それは、圧倒的な「希少性」です。

そもそもシャトーブリアンが含まれる「ヒレ(フィレ)」という部位自体が、牛一頭からわずか3%程度しか取れない貴重な部位です。牛の体重が数百キロあっても、ヒレ肉は左右合わせて数キロしかありません。これだけでも十分に希少なのですが、シャトーブリアンはそのヒレ肉の中から、さらに厳選された中心部分のみを指します。具体的には、一頭の牛から取れるシャトーブリアンの量は、わずか600gから2kg程度と言われています。全体重に対する割合で言うと、なんと0.1%にも満たないほどの少なさなのです。

ヒレ肉の両端の細い部分や、形が少しでも不揃いな部分はシャトーブリアンとは呼ばれません。テートやミニヨンと呼ばれる別の部位として扱われます。最も太く、肉質が均一で、最も柔らかい「芯」の部分だけがその名を冠することを許されます。この限られた量に対し、「一度食べてみたい」という需要は世界中で非常に高いため、必然的に価格が高騰してしまうのです。

また、この部位を綺麗に切り出すためには、熟練した職人の技術も必要となります。余分な脂やスジを丁寧に取り除き、一番美味しい部分だけをトリミングしていく作業には手間とコストがかかります。私たちがレストランで目にするシャトーブリアンは、こうした厳しい選別と職人の技を経て届けられた「宝石」のようなお肉なのです。高価格は、その圧倒的な希少価値と、最高品質へのこだわりの証と言えるでしょう。

知っておきたいサーロインのランクや特徴

お肉屋さんやレストランで「A5ランク」「A4ランク」といった表示をよく目にしますよね。「数字が大きい方が美味しいに違いない」と思いつつ、具体的に何が違うのかよく分からないという方も多いのではないでしょうか。サーロインを選ぶ際に役立つ、この「ランク」の意味と、美味しいサーロインの見分け方についてお話しします。

この「A5」や「A4」というランクは、主に「歩留まり等級(A~C)」と「肉質等級(1~5)」の組み合わせで決まります。「歩留まり」とは一頭の牛からどれだけのお肉が取れるかという生産者向けの指標ですが、消費者の私たちが特に注目すべきは、数字の部分である「肉質等級」です。これは「脂肪交雑(サシの入り方)」「肉の色沢」「肉の締まりとキメ」「脂肪の色沢と質」の4項目で厳格に評価されます。最高ランクの「5」は、霜降りが芸術的に美しく入り、肉の色も鮮やかで、脂の質も極上であることを意味します。

A5ランクのサーロインは、赤身が見えないほどびっしりと細かいサシが入っており、口に入れた瞬間に溶けてなくなるような食感が特徴です。脂の甘みも最強クラスです。一方、A4ランクはA5に比べると赤身の割合が少し増えますが、それでも十分すぎるほどの霜降りがあり、肉の旨味と脂の甘みのバランスが良いと、あえてA4を好む方も多くいらっしゃいます。必ずしも「A5が全てにおいて最高で一番美味しい」というわけではなく、「とにかく脂の濃厚さを楽しみたいならA5」「肉らしさも残したいならA4」といったように、好みで選ぶのが通の楽しみ方です。

また、スーパーなどでご自身でパック詰めされたサーロインを選ぶ際には、ランクだけでなく「見た目のサイン」もチェックしてみましょう。まず、お肉の色は「くすみのない鮮やかな赤色」が理想です。黒ずんでいたり、逆に乾燥して白っぽくなっているものは避けましょう。ただし、お肉同士が重なっている部分が黒ずんでいるのは、酸素に触れていないためであり、品質には問題ありません。次に脂の色ですが、「乳白色」でツヤがあるものが新鮮で美味しい証拠です。脂が黄色っぽくなっていたり、パサパサしているものは鮮度が落ちている可能性があります。さらに、パックの中に赤い汁(ドリップ)が溜まっていないかも重要です。ドリップが出ているお肉は旨味が逃げてしまっているサインですので、できるだけドリップの少ないものを選びましょう。

気になるサーロインの価格相場はどれくらい?

「今夜はサーロインステーキにしよう!」と思い立ったとき、気になるのはやはりお値段ですよね。サーロインの価格は、産地(国産か輸入か)やランク(和牛か交雑種か)によって驚くほど幅があります。予算に合わせて賢く選べるよう、大まかな価格相場を知っておきましょう。

まず、スーパーマーケットで手軽に購入できる輸入牛(アメリカ産やオーストラリア産など)のサーロインです。こちらは比較的リーズナブルで、100gあたり約250円~700円程度が相場です。輸入牛は赤身が主体で脂が少なめなものが多く、さっぱりとしたステーキを楽しみたい方や、日常の食卓にステーキを取り入れたい場合に適しています。アメリカ産は比較的柔らかく、オーストラリア産は赤身の味がしっかりしている傾向があります。

次に、少し奮発して国産牛(和牛ではない日本の牛、交雑種など)を選ぶ場合、100gあたり800円~1,200円程度が目安となります。輸入牛よりも柔らかく、和牛ほど脂っこくない、バランスの取れた味わいが魅力で、価格と味のバランスが良いのが特徴です。

そして、記念日などに奮発したい「黒毛和牛」のサーロインとなると、価格は一気に上がります。一般的なスーパーや精肉店でも、A4ランク程度の和牛サーロインは100gあたり1,000円~1,800円ほどします。さらに、松阪牛や神戸牛などの有名ブランド牛や、最高級のA5ランクとなると、100gあたり2,000円~5,000円、あるいはそれ以上の値がつくことも珍しくありません。デパ地下などではさらに高値で販売されていることもあります。

通販サイトなどでは、「訳あり(端っこや形が不揃い)」や「切り落とし」として、A4・A5ランクのサーロインが少しお得に販売されていることもあります。例えば、1kg単位のまとめ買いで単価を抑えている商品も見受けられます。ご自宅用であれば、こうしたお得なセットを探してみるのも一つの手ですね。

ちなみに、レストランで食べる場合は、これらの原価に調理代やサービス料、場所代が加わるため、さらに数倍の価格になることが一般的です。ご自宅で焼けば、高級レストランと同じクオリティのお肉を、比較的リーズナブルに楽しむことができるのも、おうちステーキの醍醐味と言えるでしょう。

自宅で再現するおいしいステーキの焼き方

「いいお肉を買ったけれど、家で焼いて失敗したらどうしよう」と不安になることはありませんか。でも大丈夫です。高級なサーロインやステーキ肉を、フライパン一つでプロのように美味しく焼くための基本ルールがあります。これを守るだけで、仕上がりは劇的に変わりますよ。

まず、調理を始める前の準備が最も重要です。お肉は焼く30分ほど前に冷蔵庫から出し、必ず「常温」に戻しておいてください。冷たいままのお肉を急に焼くと、表面だけが焦げて中は冷たい「生焼け」の原因になりますし、火の通りが均一になりません。これはどんなに良いお肉でも共通の鉄則です。

次に、お肉の表面の水分をキッチンペーパーで丁寧に拭き取ります。水分が残っていると、焼くときに蒸し焼き状態になってしまい、綺麗な焼き色がつかず、臭みの原因にもなります。そして、塩コショウを振るのは、「焼く直前」がベストです。早くから塩を振ってしまうと、浸透圧で肉の水分と一緒に旨味が外に出てしまいます。高い位置からパラパラと振ると、均一に味がつきますよ。

いよいよ焼きの工程です。フライパンに牛脂や油をひき、強火でしっかりと熱します。煙がうっすら出るくらいまで温度を上げるのがポイントです。お肉を入れたら、まずは強火で表面にしっかりとこんがりとした焼き色をつけ、肉汁を閉じ込めます。サーロインのように脂のあるお肉は、脂身の部分をトングで挟んで立てて焼き、脂を少し溶かしてカリッとさせるとより美味しくなります。

好みの焼き加減(レア、ミディアムレアなど)まで火を通したら、ここからが一番のポイントです。焼きあがったお肉をすぐに切ってはいけません。アルミホイルに包んで、数分間「休ませる」のです。詳しくは次のシャトーブリアンの項目でも解説しますが、この「休ませる」時間は、サーロインにとっても肉汁を全体に行き渡らせるために非常に大切です。

この基本手順を守れば、ご家庭でも表面はカリッと香ばしく、中はジューシーな絶品ステーキを焼くことができます。ぜひ挑戦してみてください。

アルミホイルを使ったシャトーブリアンの失敗しない焼き方

脂肪が少なく繊細なシャトーブリアンを焼くとき、最も恐れるべき失敗は「焼きすぎ(オーバークック)」です。サーロインとは違い、脂肪によるジューシーさの保護がないため、水分が飛びやすく、火を通しすぎるとすぐにパサパサになってしまいます。この高級部位を、しっとりとジューシーに、そして極上の柔らかさに仕上げるための魔法のアイテム、それが「アルミホイル」です。

シャトーブリアンのような厚みのある赤身肉を焼く際、フライパンの上だけで中心まで火を通そうとすると、表面が焦げてしまったり、外側が硬くなりすぎてしまいます。そこで活躍するのが「余熱調理(レスティング)」です。

具体的な手順をご紹介しましょう。まず、フライパンで表面に強火で美味しそうな焼き色をつけます。この段階では中まで火を通そうとする必要はありません。あくまで「焼き目をつける」ことが目的です。両面と側面を数十秒ずつ香ばしく焼いたら、お肉をフライパンから取り出し、すぐに二重にしたアルミホイルでふんわりと包み込みます。

そして、そのまま温かい場所(コンロの近くなど)で約5分〜10分ほど放置して「休ませ」ます。この時間が、魔法の時間です。アルミホイルの中で、お肉の表面に残った熱がじわじわと中心に向かって伝わっていきます。強い直火ではなく、穏やかな余熱でゆっくりと火を通すことで、お肉の繊維が縮まるのを防ぎ、驚くほど柔らかい仕上がりになるのです。直火で焼き続けると肉が縮んで硬くなりますが、余熱ならその心配がありません。

さらに重要なのが「肉汁」の安定です。焼きたてのお肉の内部では、熱によって肉汁が激しく動き回っています。この状態ですぐにナイフを入れると、美味しい肉汁がドバーッと流れ出てしまい、お肉自体はパサパサになってしまいます。アルミホイルで休ませることで、暴れていた肉汁が肉の繊維の中に落ち着き、切ったときにも溢れ出さず、口に入れた瞬間にジューシーさを感じられるようになるのです。

「冷めてしまわない?」と心配になるかもしれませんが、アルミホイルの保温効果は高いので大丈夫です。もし食べる直前に少しぬるいと感じたら、食べる直前に再度フライパンで表面をサッと数秒炙るだけで、熱々の状態で楽しめます。このアルミホイルテクニックを使えば、難しいシャトーブリアンの火入れも、失敗知らずでプロ級の仕上がりになりますよ。

ステーキだけじゃないサーロインのおすすめ調理法

サーロインを買ったけれど、ステーキとして焼くだけでは少し量が多い、あるいは脂が重くて食べきれるか心配…という場合もありますよね。サーロインはステーキの王様ですが、実は他の料理に使っても絶品の味わいを発揮します。余ってしまったお肉や、少しリーズナブルなサーロインを美味しく変身させるおすすめのアレンジをご紹介します。

まずランチにもおすすめなのが、「贅沢サーロインステーキサンド」です。焼いたサーロインを薄切りにし、軽くトーストしたパンにレタスなどの野菜と一緒に挟みます。パンがお肉の余分な脂を吸ってくれるので、ステーキ単体で食べるよりもさっぱりと、かつリッチな味わいを楽しめます。バター醤油やマスタード、わさび醤油を効かせたソースで食べると最高ですよ。お店のようなおしゃれな一品になります。

ガッツリご飯が進むメニューなら、「ガーリックステーキチャーハン」はいかがでしょうか。サイコロ状にカットしたサーロインを、たっぷりのニンニクと一緒に炒めてガーリックライスにします。サーロインから出る上質な脂がお米一粒一粒をコーティングし、旨味たっぷりの豪華な一皿になります。最後に醤油を垂らして焦がすと香ばしさがたまりません。これなら、少量のお肉でも家族全員で満足感を味わえますね。

意外なところでは、「和風の煮物」や「牛のたたき風」もおすすめです。サッと湯通ししたり表面を焼いたサーロインを、ポン酢や大根おろしで和えれば、脂のしつこさが消えてさっぱりとした料理になります。また、少し硬くなってしまったサーロインがあれば、薄切りにして「しぐれ煮」や「ビーフシチュー」の具材にすると、煮込むことでとろけるような柔らかさが復活し、煮込み料理全体にコクと深みを与えてくれます。いつものカレーやシチューが一段階ランクアップしますよ。

サーロイン=ステーキという固定観念を捨てて、サラダのトッピングや炒め物、お寿司のネタなどに少し贅沢に使ってみるのも、新しい美味しさの発見に繋がります。脂の旨味を活かして、様々な料理で楽しんでみてください。

【シャトーブリアンとサーロイン。どっちを選ぶ? 比較します】に関するまとめ

・脂の濃厚な甘みとジューシーな食べ応えを求めるならサーロインを選ぶ
・脂肪が少なく極上の柔らかさと上品な味を好むならシャトーブリアン
・シャトーブリアンはヒレの中心部であり牛1頭から極わずかしか取れない希少部位
・サーロインは背中の筋肉で適度な脂と赤身のバランスが良い「ステーキの王様」
・地域によってヒレ、ヘレ、フィレと呼び方が変わるが基本的には同じ部位を指す
・シャトーブリアンは焼きすぎるとパサついて硬くなるため焼き加減が非常に重要
・サーロインの脂で気持ち悪くなるのが心配な場合は赤身のヒレを選ぶと安心
・おいしいステーキを焼くには必ず常温に戻し焼く直前に塩を振ることが鉄則
・焼いた後にアルミホイルで休ませることで肉汁を閉じ込めジューシーに仕上がる
・サーロインはサンドイッチやチャーハン、煮込み料理にアレンジしても絶品

シャトーブリアンステーキとサーロインステーキ

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